自転車ブレーキ修理なぜしない
自転車を長い期間持っている人の中には、パンク修理の経験はあっても自分でブレーキ修理を経験したことがある人は少ないのではないでしょうか。自転車のブレーキ修理は、素人では出来ない、あるいは面倒と諦めている方が多いでしょう。確かに自転車のブレーキは、事故につながりやすいため、パンク修理のように自分で修理しにくい側面もあります。しかし、原理を知ってやり方を覚えればパンク修理のようにブレーキを修理することは可能です。
自転車屋さんに修理依頼する
ブレーキの修理のやり方について解説するとともに、自転車屋さんに依頼したときの修理代の相場や、出張の値段と修理にかかる時間なども合わせて紹介していきます。
自転車ブレーキの原理
自転車ブレーキの原理には、運動エネルギーが関係しています。自転車が動いているのは運動エネルギーが働くからです。運動エネルギーを別のエネルギーに変えるのがブレーキになります。つまり、自転車を動かしている回転体を止めるエネルギーの役割がブレーキにあるということです。
自転車の回転体
自転車の回転体とは、ハブ、スポーク、ニップル、リムのホイールを含んだタイヤです。タイヤの回転を止めることで、自転車の速度を落としたり、止めたりできるようになります。つまり、タイヤに圧力をかける摩擦エネルギーを使うということです。
自転車ブレーキの種類
自転車のブレーキ修理のやり方を解説する前に、自転車に使われているブレーキの種類と構造・特徴を知っておく必要があります。自転車のブレーキは、ハブブレーキ・リムブレーキ・ディスクブレーキの3つです。ハブブレーキは、ママチャリ・シティサイクルに、リムブレーキは、ロードバイク・クロスバイク、ディスクブレーキは、マウンテンバイクといったようにブレーキは、自転車のタイプによって違いがあります。
自転車ブレーキの種類①ハブブレーキ
自転車ハブブレーキは、丸い形状したハブと外側のゴムバンドで構成されています。ハブはタイヤと同時に回転する部品です。ハンドルに付いているレバー握ることで回転部品ハブを外側のゴムバンドで挟み、回転を抑え込み圧力かけることで自転車にブレーキかけることができる仕組みです。
自転車ハブブレーキには
自転車ハブブレーキには、サーボブレーキ・ローラーブレーキ・ドラムブレーキの種類があります。サーボブレーキとは、回転部品ハブの内側にブレーキパッドがある構造しているブレーキのことです。ハンドルに付いているレバー握ることで、回転しているハブを内側からブレーキパッドで広げることで回転を抑えこみ自転車にブレーキがかかります。
ローラーブレーキ・ドラムブレーキは
ローラーブレーキは、ブレーキパッド・ローラー・カムで構成されているブレーキです。ハンドルに付いているレバー握ることで、カムを回転させて、ローラーがブレーキパッドを押すことでドラムに圧力かけて回転を抑えこみ仕組みになっています。ドラムブレーキは、タイヤのホイール側の丸い形状したドラムを、外側にあるゴムバンドで挟み込んで回転を抑える仕組みのブレーキです。
自転車ブレーキの種類②リムブレーキ
リムブレーキには、V-ブレーキ・カンチブレーキ・Uブレーキの種類があります。V-ブレーキは、リード管・ケーブル固定ボルト・ブレーキパッド・スプリング調整ネジ・アームの部品で構成され、マウンテンバイクやクロスバイクなどスポーツ自転車によく使われている制動力が高いブレーキです。
リムブレーキの仕組み
リード管が、ハンドルのレバーにブレーキワイヤーで繋がっています。ハンドルにあるレバーを握ることでブレーキパッド付き2本のアームが、タイヤのリムを抑え込みブレーキがかかる仕組みです。
カンチブレーキ・Uブレーキは
カンチブレーキは、V-ブレーキとほぼ同じ構成部品のブレーキです。違いは2本のアームが外側に広がっていて2本のアームが中央にワイヤーで引っ張られていることです。V-ブレーキは2本のアームが平行、カンチブレーキはブレーキパッドが付いている部分は狭く、アームの上にいくほど広くなっています。Uブレーキは、2本のアームが重なるような形状していて、制動方法はV-ブレーキ・カンチブレーキと同じです。
自転車ブレーキの種類③ディスクブレーキ
ディスクブレーキは、自転車のホイールに付いているディスクの回転を、ブレーキパッドで挟んで回転抑え込む仕組みのブレーキです。ディスクブレーキには機械式と油圧式があります。ハンドルに付いているレバー握るとブレーキパッドが機械的に動くのが機械式です。油圧によって動くのが油圧式になります。
自転車ブレーキの修理方法
ブレーキの種類と構造が理解できたら、自分で自転車ブレーキの修理のやり方についてみていきましょう。ブレーキレバー握ってもブレーキーが効かないあるいは、止まるまで時間がかかるなどの場合は、修理や調整が必要です。自転車のブレーキの修理する箇所には、ワイヤー・レバー・ブレーキシューあるいはブレーキパッド・アームがあります。
修理箇所:ワイヤー
ブレーキレバーを握ってもブレーキが効かない場合は、ワイヤーがたるむことで起きます。ワイヤーがたるむ原因として、切れた・伸び・劣化・破損があります。
ワイヤーの構造
ワイヤー修理のため構造を理解しておきましょう。ワイヤーは金属製インナーケーブルと樹脂製アウターケーブルの二重構造になっています。金属製インナーケーブルがハンドル側のブレーキレバーとブレーキ本体と繋がっていて、ガードするように樹脂製アウターケーブルが付いています。つまり、接続部分を除けば樹脂で覆われているのです。
ワイヤー修理はアジャスターボルトを回す
たるみは、ハンドル側に付いているアジャスターボルトとリア側のアジャスターボルトの調整によって復活します。アジャスターボルトを締める方向に回すことで、ワイヤーのたるみを無くすことが可能ですが、アジャスターボルトを回してもたるみが修復されずに、ブレーキが効かない場合もあります。これはワイヤーを長い期間使うことで劣化するからです。
修理ではなく交換になる場合もある
長い期間使って金属製インナーケーブルが伸びたり切れたりした場合は、ブレーキ本体のブレーキパッドなどを動かすことができないため交換が必要になります。樹脂製アウターケーブルの破損は、破損箇所が少ないときには、防水性のあるテープなどである程度の補修は可能です。しかし、長い期間使った金属製インナーケーブルには錆などのダメージを受けている可能性があるため交換がおすすめです。
ワイヤーの伸びなら
金属製インナーケーブルが切れたのではなく伸びただけなら交換以外にも修理方法があります。一般的にはアジャスターボルトの調整によってワイヤーのたるみは復活します。しかし、復活しない場合は、ブレーキ本体ブレーキパッド側のワイヤー調整で復活させることが可能です。
ブレーキ本体ブレーキパッド側のワイヤー調整
ブレーキパッド側のワイヤーは、六角ボルトで固定されているので六角レンチなどの道具で緩めることがスタートです。緩めたらワイヤーを少し引っ張って軽く固定してブレーキレバーを握って効くか効かない確認しながら、ブレーキがしっかり効くようになるまで繰り返します。ワイヤーを引っ張るときには素手では危険ですのでラジオペンチなどを使うといいでしょう。
修理箇所:レバー
ブレーキが効かない原因としてレバーの不具合があります。レバーは、ハンドル側から転倒したときに曲がったり折れたりすることがあります。レバーの曲がりなら修理できますが、折れた場合は交換になります。またレバーは錆つくことで不具合を起こすことがあります。
レバーの錆つきなら
レバーの錆つきならグリスや潤滑油で修理することが可能です。手順は、レバーを固定しているボルトを緩めて外すことがスタートです。レバーとボルトが外れたら、ワイヤーと接続している部分の余分なゴミやホコリを取り除きます。掃除が終わったらグリスや潤滑油を塗って元通りにボルトで固定すれば完了です。
修理の手順:レバー
自分でレバーを交換する手順についてみてきましょう。手順は折れたレバーとハンドルグリップの取り外し・ブレーキワイヤーを調整ネジに通す・ワイヤーをレバーにはめる・ハンドルグリップの取り付けで完了です。レバーを固定している六角ボルトを六角レンチで緩めるハンドルグリップを取り外します。
ワイヤー調整ネジに通す
ワイヤーをレバーにはめるには、調整ネジに固定する必要があり、そのため調整ネジにワイヤーを通して固定します。ワイヤーが調整ネジに固定できたら交換するレバーの穴の部分にはめれば、交換レバーにブレーキワイヤー取り付ける作業は完了です。あとは交換レバーをハンドルグリップに取り付ければ交換作業は終わりになります。
修理箇所:ブレーキパッド
ブレーキの要的な部品がブレーキシューとも呼ばれているブレーキパッドです。ブレーキパッドは、ブレーキをかける度ごとに動いて摩擦をかける部品なので摩耗が激しく交換が必要になるのでしっかり覚えておきましょう。六角レンチとプラスドライバーや軍手があると作業がやりやすくなるのでおすすめです。
修理の手順:ブレーキパッド
ブレーキパッドを外す手順はワイヤー外す・フックを外す・ブレーキを緩めるです。ブレーキパッドを外すには、ワイヤーを緩ませることが必要になります。そのためアームに接続されているワイヤーを外すことかがスタートです。外したら、アーム上部のフックを外します。フックが外れれば、ブレーキが緩むので後は新しいブレーキパッドに変えれば完了です。
ブレーキパッドは
ブレーキパッドは、長方形のような穴が空いているブレーキアームに取り付けられています。3箇所の凹凸部分のゴムをブレーキアームにワッシャー・ネジの順番で取り付けます。このときゴムがブレーキアームの穴におさまるように取り付けることと、ワッシャー・ネジの順番を間違えないように注意が必要です。最後にブレーキパッドを取り付けたら動かないようにネジで固定すれば完了です。
修理箇所:アーム
アームはブレーキパッドを固定する大事部品です。アームが異形になるとブレーキパッドが正常に機能しなくなり、ブレーキが効かないことが起きます。曲がりや歪みになったら交換するしかありません。動きが悪い場合はレバーの動きを良くするのと同じように潤滑油を塗り込むことで解消します。
自転車のブレーキ修理業者への依頼(相場)
ブレーキが効かないときに自分ではなく、業者にブレーキ修理依頼した場合の修理代の相場についてみてきましょう。ブレーキワイヤー修理代の相場は、700円から1300円、時間にして5分程度です。ブレーキワイヤーの交換修理代は、フロントとリアでは値段が違い、フロントよりリアの方が100円程度高い値段になります。
修理代の相場
ブレーキパッド交換修理代の相場は、Vブレーキは1000円ほどで、カンチブレーキとUブレーキは1500円、ディスクブレーキは2000円で交換は10分です。ブレーキレバーの修理代の相場は2500円~5000円前後です。
交換には調整が必要
ブレーキレバー交換することは、ワイヤーの調整が必要になり、調整料として800円ほどが必要になることを知っておきましょう。またカンチブレーキ・Uブレーキ・ディスクブレーキの場合は、修理代が500円ほど高い値段になります。
出張依頼した場合は
パンク修理・ブレーキ修理などで出張依頼する場合は、持ち帰りとなり修理代にプラスして2000円ほどの費用が必要になるときと出張料金がないなど業者によって違います。そのためパンク修理・ブレーキ修理などで出張依頼する場合は良く確認することをおすすめします。参考までに出張料金なしの業者はパンク修理を1000円ほどで提供しています。
自転車ブレーキ修理にチャレンジしましょう
自転車ブレーキ修理をパンク修理のように自分でできれば便利です。ブレーキ修理は、面倒ではなく、そんなに難しくないことが理解できたのではないでしょうか。ブレーキは自転車を安全に乗るために大事なパーツなため、修理することに抵抗があり、つい業者に依頼します。しかし、やり方を覚えれば自分でできます。いつも自転車を安全に乗るために、今回紹介した内容を参考にして自分でブレーキ修理に挑戦しましょう。