スキュワー式のメリット
ここまで読んでいて、スキュワーに興味を示された方も多いと思います。ですが今まで使い慣れたクイックリリースから、あえてスキュワーに交換する必要性はあるのでしょうか。実はスキュワーに交換することで、以下のようなメリットがあるのです。
メリット①ホイールの固定力が向上する
まずスキュワーに交換した人がよく口にする感想としては、ホイールの固定力が高まったということです。ナットで留めたあと、ハンドルや工具でしっかりと締めることで、クイックリリースよりも固定力が上がり、剛性も向上するという効果があります。またクイック式の場合、ハンドルを強く押し込まないと固定力が不十分になることから、女性など力の弱い人には大変でした。スキュワーだとそうした不利もある程度改善されます。
クイックリリース(qr)の固定力はどうなのか
クイックリリースがスキュワーより固定力が劣ると言われるのは、クイックを留める時の動きに原因があります。ナットである程度締めてから、レバーを「CLOSE」の方向へ押し込む直前、わずかにですがいちど締め付けがゆるみます。もちろんしっかりとレバーを締めれば問題なく固定されますが、そのわずかなゆるみが固定力の違いに表れます。
メリット②漕ぎ出しの反応が良くなる
停止状態からの漕ぎ出しの軽さもメリットとして挙げられます。スキュワーでエンド部分がより強く固定されることで、ハブのねじれが抑えられ、結果踏み込んだ時の力が逃げにくくなります。そのためペダリングの力がよりホイールへ伝わりやすくなり、漕ぎ出しの軽さやスピードの乗りの良さにつながるのです。
メリット③ホイールの防犯対策になる
これはレバーのないアーレンキーロックタイプのスキュワーに限りますが、最もメリットがあるのはこの防犯効果ではないでしょうか。このスキュワーに交換すれば、アーレンキーや専用工具を使わないとホイールを外すことはできません。高価なホイールを盗まれないよう、こうした防犯の目的でスキュワーを使用する人も増えています。
工夫をこらしたスキュワーの数々
防犯が主な目的のアーレンキータイプのスキュワーは、様々な使い方の商品が数多く出ています。普通の六角アーレンキーを使うものから、独自の形状の工具を必要とするタイプ、ボルト部分が独立したもの、自転車ごと動かさないと外せないものなど、より高い防犯性能を求めて工夫されたものがたくさんあります。下記の記事では、その中でも盗難防止に効果的だと人気のスキュワーを紹介しています。
スキュワーのデメリットは?
そんなスキュワーもメリットばかりではありません。スキュワーがクイックリリースと比べて不利なのはやはり取り外しに手間がかかることです。スキュワーがレバー式ならばレバーを引っ張って回せば外すことができますが、クイックほどすぐには外れません。またレバーのないスキュワーは専用工具が必要になるので、少し面倒に感じるでしょう。
スキュワーが不向きな条件とは?
ひんぱんに輪行やパーツ交換を行う人にはアーレンキー式スキュワーは向きません。クイックリリースか、レバー式スキュワーにしましょう。また一分一秒を争うレースで素早くホイール交換をするとなると、早さではクイックと比べてスキュワーは分が悪いです。ただ現在ではディスクブレーキもレースで主流になりつつあるので、リムブレーキロードを使わなければその優位性は薄れつつあります。
あなたにはどのタイプがおすすめ?
- 利便性も走りの質も求める人→レバー式スキュワー
- ホイールの盗難を防ぎたい→アーレンキー式スキュワー
- エンデューロなど一秒を争うレースに出る人→クイックリリース
- 最新ディスクロードに乗りかえた→スルーアクスル
まとめ
今回はホイールの固定に欠かせない、スキュワーの仕組みや使い方、メリットについて解説してきました。あまり目立たない部品ですが、通常のクイックリリースと比較しても意外に固定力の違いが走りに影響を与える、ということがおわかりいただけたと思います。またホイールの盗難を難しくする防犯面でも、非常に有効なパーツとして積極的に選ばれるようになってきています。手軽に交換できるグレードアップのひとつとしてぜひ試してみてはいかがでしょうか。
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