ロードバイクの消耗品をチェックしよう
ロードバイクにメンテナンスは必須
「精密機械」ともいわれるロードバイクにおいては、日常的なメンテナンスが非常に重要です。メンテナンスを怠っていては、バイクの持つ「走る・止まる」といった本来の性能をしっかり保つことができないだけでなく、走行に悪い影響を与えることもあります。
メンテナンス=パーツの消耗をチェック
しかし、いくらきちんとメンテナンスを行っていてもパーツの消耗を防ぐことはできません。パーツが消耗してくると、しっかりメンテナンスを行ってもバイクのポテンシャルを保つことができなくなってしまいます。メンテナンスをすることは、パーツの消耗をチェックするという面もあると認識しましょう。
交換のタイミングを知ろう
消耗したパーツは交換が必要となりますが、パーツによって消耗の仕方や交換のタイミングが異なります。交換のタイミングを知らないと、気づかずにそのまま使い続けて交換時期を誤ると、性能が保たれないだけでなく走行に影響が出たりトラブルにつながるリスクもあるので要注意です。
ロードバイクの消耗品には何があるのか
ロードバイクの消耗品として、交換が必要となるパーツには何があるのでしょうか。主なものをリストアップしてみましょう。
ロードバイクのおもな消耗品リスト
- タイヤ
- ブレーキシュー・ブレーキパッド
- チェーン
- チューブ
- リムテープ
- シフト・ブレーキケーブル
ロードバイクの消耗品の交換時期
①タイヤ
目安は3,000~5,000km
タイヤは走れば走るほど消耗します。距離で交換のタイミングを一概に表すことはできませんが、3,000~5,000kmを目安としましょう。すり減っていなくても、異物での傷つきなどはパンクやバーストの危険性があるので、洗車の際などにタイヤに傷がないかチェックすることも忘れずに。
走らなくても交換は必要
走る距離が短くても、タイヤは紫外線を受けて劣化したり硬化してしまいます。タイヤを触って柔軟性を失っていたなら、やはり交換をおすすめします。タイヤはコンパウンドの違いなどにより摩耗に強く長い距離でも減りの少ない耐久性に優れたタイプもあるので、交換回数を抑えたいなら、それらを選ぶもおすすめです。
②ブレーキシュー・ブレーキパッド
命にかかわる重要パーツ
ブレーキシューとはキャリパーブレーキ、ブレーキパッドとはディスクブレーキにそれぞれ使われている、命にかかわる非常に重要なパーツです。これらの消耗具合によりブレーキの効きが大きな影響を受けるので、しっかりチェックしておきたいものです。
半年に1度の頻度で交換が望ましい
ブレーキシューの交換の目安は、溝がなくなる前です。走行距離や乗り方によって減り方は異なりますが、溝がなくなっていなくても、値段もさほど高くありませんし自分で簡単に交換も可能なので、できれば半年に1度程度を目安に交換するのが好ましいです。
ブレーキパッド交換はショップへ
ブレーキパッドはおよそ0.5mmくらいまで減ったなら交換時期と考えましょう。ブレーキパッドの交換は特に初心者には難しいかもしれないので、ショップに依頼するほうが無難かもしれません。
③チェーン
チェーンへの負担は大きい
チェーンは、漕ぐたびに大きな負荷がかかって伸びたりシフトチェンジでの摩耗、また注油や洗浄といった普段のメンテナンスの状態にも影響を受けます。使い方によっては、サビといった問題も発生します。
「伸び」に注意
チェーン交換の目安は3,000~5,000km程度の走行ですが、シフトチェンジがスムーズにいかなかったりギアが外れるといった症状があれば、チェーンの伸びを疑いましょう。チェーンインジケーターを使用すれば厳密にチェックでき、0.75~1.0%くらいの値なら交換時期です。
チェーンカッターが必要
チェーンは変速段数によって寿命が異なり、段数が多いほうがチェーンの厚みが薄いために交換時期が早まります。交換はコンポーネントのグレードに合ったものを選べばOKですが、作業にはチェーンカッターが必要です。できるだけメンテナンスは自分で行うのであれば、チェーンカッターを購入したほうが交換にかかる費用が抑えられますよ。
④チューブ
チューブも劣化する
タイヤの中にあるためにタイヤほど紫外線などの外的影響を受けやすくはありませんが、やはりゴム製品ですから劣化します。チューブ交換の目安は4,000~5,000km程度ですが、品物によって異なるので製品推奨値をチェックしておきましょう。
空気圧にも注意しよう
パンクをするともう使えないと思っている人もいますが、きちんと修理すれば大丈夫です。ただし、何度もパンクしたりパッチでボコボコになっているのはNG、交換したほうがおすすめです。チューブの寿命を長持ちさせるには、適切な空気圧で乗る、チューブ交換の際にタイヤパウダーを使用するといった点もポイントです。
⑤リムテープ
パンクを避けるためのパーツ
ホイールとチューブの間に挟むリムテープは忘れられがちなパーツですが、これも消耗品です。リムテープの役目は、リムの底にあるスポークを取り付ける穴やバルブ穴の縁からチューブを守るためです。リムテープがなければチューブが直接穴の縁に触れて、チューブに傷がついてパンクする恐れがあります。
タイヤ交換のついでに
リムテープの交換のためだけにタイヤを外すのも面倒なので、タイヤ交換の際にでも合わせて行うのがいいでしょう。頻繁に交換が必要なパーツではないため、タイヤ交換2回に1度程度でOKです。ただし、あまりタイヤ交換をしないのであれば、1年ごとに交換するのが好ましいです。
⑥シフト・ブレーキケーブル
見えないけれど重要
シフトやブレーキケーブルの劣化は操作性や安全性に影響を与えます。ケーブルは細い鉄線の束なのでサビたりほつれて、最悪の場合切れて変速ができなくなったりブレーキが効かなくなる恐れもあります。
ショップに頼むのもアリ
交換は3,000~5,000km程度、もしくは1年に1度を目安とするといいでしょう。交換作業はペンチさえあれば可能ですが、最近はケーブルがフレームの内部を通る「インナーケーブル」が増えているので、初心者や作業に慣れていない人にはショップに依頼したほうが無難かもしれません。
その他のロードバイクの消耗品
スプロケット
7,000kmを目安に
スプロケットは、チェーンがかかる部分なので漕ぐたびに少しずつ削られています。他のパーツと比較するとタイミングは長いのですが、7,000km程度を目安にして交換を考えましょう。
日常のメンテナンスでも注意
スプロケットの寿命も、日ごろのメンテナンスに大きく左右されます。チェーン注油や清掃をしない、伸びたチェーンに乗り続ける、状況に応じた変速をせず同じギアで走り続けるといった人は、スプロケットに負担がかかり、寿命を縮めてしまいがちです。無駄な費用を抑えるためにも、日ごろから注意しましょう。
バーテープ
頻度に決まりはないけれど
特に距離や期間といった決まった頻度はありません。汚れたりすり減ったなら交換と考えればいいでしょう。汚れたりボロボロになっても使用できますが、操作性が悪くなる可能性もありますし、何より見た目にカッコ悪いです。
自分で交換してみよう
雨の後はしっかり乾かす、汚れがついたら小まめに拭き取る、グローブをして乗るなど、日ごろから注意をすることで劣化が少しでも抑えられます。交換をショップに頼むと、結構費用が高くつきます。面倒ですが、費用の節約と技術のマスターのためにもぜひ自分でトライしてみることをおすすめします。
メンテナンスとパーツ交換を忘れずに
ロードバイクのいくつかの消耗品の交換頻度は、5,000kmを目安としています。5,000kmといえばかなりの距離と思うかもしれませんが、通勤や通学で片道10km乗っているなら、1年で達してしまいます。愛車に長く乗り続けたいのであれば、日ごろのメンテナンスに加えて消耗品の交換時期もしっかり把握して対処しましょう。